2023年6月14日
大学3年生の学生さんのキャリアデザイン授業をお手伝いをしました。
与えられた2つのテーマを学生が自ら選択し、1グループ5人から6人に分かれます。
グループ内で司会者、書記、タイムキーパーおよび発表者を決め、意見を出し合うワークです。
2つのテーマのうち一つが「幸せとは何か?」について話し合うものでした。当社が企業研修や広く一般に伝えていくテーマがこの授業の課題として取り上げられていたことに改めてご縁を感じました。
学生たちのディスカッションに耳を傾けていると、幸せとは人生で成功することやお金持ちになることなどの意見のほか、病気で入院した際にお見舞いに来てもらったこと、日系ハーフ?とおぼしき女学生が、祈るときに幸せを感じるという意見も出されました。グループ内では、この女学生の意見が支持され、幸せとは、”幸せだと感じられる状態”だということがグループの意見として発表されていました。日本人はもっともっと幸せについて学ぶ必要があると感じたひとコマでした。
私からは、学生さんに「幸せ」は定義されていること、それは「幸せ」について研究されている慶応義塾大学の前野隆司教授の研究結果では、「幸福」とは、例えばプレゼントをもらった「嬉しい(Happiness)」という感情ではなく、幸福の4要素である「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなるさ」「ありのままに」が揃った「幸せな状態(Well-being)」であると伝えることができました。
さらに「幸福の4要素」に必要なのが【自己認知】です。自分のことがわかれば「幸福の4要素」の満足度を具体的に高められる可能性につながります。
「やってみよう」:自己実現と成長 <目標ややりがいを持ち、その実現に向かい成長する>⇒<成りたい自分が分るとやる気が出て、行動や学習が継続できる>
「ありがとう」:つながりと感謝 <信頼できる家族や仲間がいる>⇒<自己確立により他者理解が進み、相互理解が深まると信頼関係が生まれる>
「なんとかなるさ」:前向きと楽観 <自己肯定感が必要>⇒<自分の強みがわかると自分を信じられ「やる気」が生まれる>
「ありのままに」:独立とマイペース<他者と比較しない自分らしさ>⇒<アイデンティティの形成や自尊心を持つ>
なお、先ほどご紹介した女子学生が「飼っていたペットが死んだとしても、悲しみと同時にそのペットと遊んだことを思い出すことで、私は幸せを感じることができる」という印象深いことを言っていました。自分の気持ちや考えを素直に表現できることは素敵ですね。
【自己認知】とは自分の脳を知ることであり、アイデンティティの確立(自己確立)には【自己認知】が必要です。